スルガ銀-IBM判決、ユーザ企業は68%が判決を「妥当」と回答。ITベンダーも4割。
スルガ銀行の勘定系システム更改プロジェクトが中止となったことに
対するベンダー責任を問う形となった今回の裁判。
判決はスルガ銀行の主張が認められる結果となりました。
ITPro上でもアンケートが集計されており、今回その結果が発表されました。
スルガ銀-IBM判決、ITベンダーも4割は「妥当」 – 記者の眼:ITpro |
ユーザ企業は68%が判決を「妥当」と回答
受注側/発注側で回答に偏りがあるのは当然ですが、ベンダー側に属する回答者でも
39%が今回の判決を「妥当」と回答しました。
ユーザー企業に属する回答者は、68%が判決を「妥当」と答えた。
一方、ITベンダーに属する回答者でも39%が「妥当」と答え、
「妥当でない」と答えた38%をわずかに上回った。
システム全体として構成されなければ意味がない
ユーザ企業側としてはフェーズごとの個別契約はあくまで契約の
区切りでありベンダー側の都合にあわせたもの。
システム全体として体をなしてなければ意味がないと考えているようです。
ベンダーは、全体の完遂を見込んでシステム開発に取り組むべき。
個々の契約は単なる契約の区切りであり、システム全体として
完遂できなければ意味がない。
有効な防止策はあるのか?
僕はユーザ企業という立場でこの業界で働いています。
開発を請け負った以上、完成まで面倒を見るのは当たり前。
失敗した際のリスクはベンダーが責任を負うべきだと考えます。
ただし、今回のケースでいえばユーザ企業側も有識者が不足しており、
十分な協力体制が気づけなかったというのが失敗の本質だと思います。
アンケートにも書いてありますが、双方のプロジェクトマネージャーが
有効に機能してなかったんじゃないかな。
開発プロジェクトがプロマネの属人的な能力に委ねられている限り、
このような問題は今後も発生するであろう。
また、こんな意見もありました。
多くのITプロジェクトではユーザー企業とITベンダーが主従の
関係になっている。判決で、このような実情をくんで
もらえなかったことは残念だ。
ITベンダーが提供するサービスの対価としてユーザ企業は金銭を
支払うのが本来の姿。
お互いの立場は対等であるべきだけども実態は主従関係になるケースが
多いようです。
これだけ大きなプロジェクトになると組織のトップが引っ張っていく姿勢を
見せないとうまくいかないんだろうな。
ユーザ企業やITベンダーの、全てのステークホルダーが当事者意識を持っているか?が
プロジェクトを成功に導くカギだと思います。
“スルガ銀-IBM裁判”を振り返る – 週末スペシャル:ITpro |
2012年4月26日
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