PMP試験3回目にして合格した僕がおすすめする参考書はこれ
2012年5月13日、PMP試験に合格しました。
1回目の受験はちょうど昨年のいまごろ、不合格×2回を経て
3度目の正直を体現する羽目に。
失敗を繰り返していくうちに、いろいろわかったことがあります。
今後、受験される人むけに、勉強方法や試験の勘所を書きました。
PMPとは?
ひらたくいうと、プロジェクト管理の資格です。
IT業界でいうと、システム開発における要件定義~設計フローも
プロジェクト管理の一部として位置づけられます。
プロジェクトマネージャー職の人は持っていて損はない資格です。
以下、IT用語辞典 e-Wordsから抜粋。
アメリカの非営利団体PMI(Project Management Institute)が
認定しているプロジェクトマネジメントに関する国際資格。
同団体が「PMBOK」(Project Management Body of Knowledge)と
してまとめた知識体系に準拠して試験が行われ、受験者は
プロジェクトマネジメントに関する体系化されたアプローチ、
方法論、事例に関する知識を問われる。
体系的知識を備えているとみなされる者にはPMPの認定が与えられる。
日本で受験する場合はPMIのWebサイトから申請後、プロメトリック社の
HPからテスト日時を決める流れとなります。
初回受験時はPMI非会員の人が555ドル(会員は405ドル)、再受験時は375ドル(会員は275ドル)がかかります。
円高とはいえ非常にお金のかかる資格です。
計3回受験した僕っていったい…orz
さらに、PMPは1年以内に3回不合格になるとその後1年間は受験できないという制約があります。
受験する前には今までのプロジェクト経験をWEBから登録する必要もあり、試験申請をするだけでも手間がかかるのがPMPの特徴です。
参考書はこの3冊
受験勉強で使用した参考書はこの3冊。
以下、参考書別に内容と使いかたを紹介します。
1.PMBOKガイド第4版
何はともあれこの1冊。
PMP標準ガイドの日本語版です。
受験勉強時にこのガイドを参考にする機会はあまりなかったです。
ただし、実業務でも参考となる内容がのっているので購入することをオススメ。(合格後でもいいかな)
2.PMP試験合格虎の巻
演習問題が充実しているのがこの参考書。
各章の最後にある演習問題と模擬試験200問の合計425問を収録。
参考書なので教本的な内容も含まれていますがそこは無視。教本内容は最後に紹介する参考書で補完します。
この本は問題集に価値があります。
3.PMPパーフェクトマスター―PMBOK第4版対応
教本として使用します。
PMPの無機質な内容を割とかみ砕いて説明してくれているのがこの本です。
演習問題もありますが実際のPMPで出題される試験とはかなり乖離があります。
PMPの具体的な内容を押さえるための1冊です。
勉強は問題→教本の順で
具体的な勉強方法ですが、演習問題→教本の順番でやりましょう。
試験対策のビジネス書などでも上記の順番がオススメされていますが、PMPも同じです。
「問題→わからなかったらすぐ回答を見る→教本」サイクルを繰り返すことが合格への最短距離です。
ちなみに、実際の試験は米国の問題を和訳して出題されるため、文章に非常にクセがあります。
独特の文章に慣れる意味でも、演習問題は何度もやってください。
また、参考書の演習問題と解答は切り離しちゃいましょう。
演習問題と解答のページを行ったり来たりするだけでも大変だからです。
カッターナイフでざくっと切り離しちゃってください。
実際の試験
試験時間は4時間。時間内に200問を解答する必要があります。
4時間もあれば楽勝じゃんと思ってる人。
舐めてるとやられます。
勉強方法のところにも書きましたが、日本語訳された独特の文章を理解することにまず時間を要します。
また、問題によっては英文と照らし合わせて解答する必要があるため、自分が思っているほど時間に余裕はありません。
答えに迷ったら悩み続けずに後回しにしてください。
全ての問題はあとで見直すことができますので。
実際に3回受けている僕ですら残り時間は毎回ギリギリです。
少なく見積もっても、演習問題をこなすスピードの2〜3倍はかかると考えておいたほうがよいです。
試験の勘所
これから受験する人にとっていちばん参考になるのはこのセクション。
本試験で出題頻度が高かった問題や抑えておくべきポイントは以下の3つ。
1.よく出題される問題
コストマネジメントのEVM(アーンドバリューマネジメント)計算問題
PV/EV/ACから算出されるSV、SPI、CV、CPIの意味と計算方法はかならず出題されます。
特に、
- SVはプラス値の場合ははどういう状態(スケジュール前倒し)か?
- CPIが1より大きい場合はどういう状態(予定コストより少ない)か?
- プロジェクトで優先するリスクを基準に、リスク発生確率と影響度からどのリスクを最優先で対応するか。
- コミュニケーションチャネル数の求めかた
といった、数字が意味するものを問う問題は必ず出題されます。
出題数も多いです。全問題中、5〜6問は上記のEVMを計算したり状態を確認する問題がでます。
EVMは必ずおさえておくべきポイントです。
コンフリクトの解決方法
人的資源マネジメントからはコンフリクトの解決方法をおさえましょう。
強制、回避、対峙といった解決方法とその具体的な行動/効果を問う問題もよく出題されます。
「このケースは”対峙”だな」など、実業務と照らし合わせてイメージできるといいですね。
また、回避/沈静/協力の3つは、おのおのの違いがわかりにくい解決方法なので、参考書はWEBサイトで具体的事例を見つけるのもいいかと思います。
リスクに対する戦略
脅威に対する戦略、好機に対する戦略を問う問題もよく出題されます。
こちらもコンフリクトの解決方法と同様に具体的事例とセットでよく理解しておきましょう。
2.計算問題への対応
ハッキリ言って計算問題は簡単です。
計算機を使うまでもない、暗算で済むような問題がほとんど。
よく出題されるのは契約タイプによる支払い金額の計算。
CPIF(コストプラスインセンティブフィー)で実コストがこれだけかかった、さて最終の支払金額はいくらか? などなど。
その他としては、
ぐらいでしょうか。
複雑な計算問題はまったく出ません。
計算問題はサービス問題ぐらいの感覚で望みましょう。
3.迷ったら英文を読む
PMP試験はもともと米国のもの。
実際の試験は日本語訳された文章を読むことになりますが、問題によっては微妙なニュアンスを含むものがあります。
選択肢のなかに正解と思える項目が無い場合は英文を読んでください。
英文中には普段の仕事で使っているフレーズがそのまま出てくることもあるため、こういう意味なんだなと感覚(直感)で理解できるケースがあります。
それらしい解答がないと思ったら英文を読むべし。
4.ひっかけ問題は出ない
参考書の演習問題などでは「〜でないものはどれか?」といった否定形の問題がよくあります。
これ、実際の試験では、まず出ません。
日本語訳のわかりにくさを除けば、「〜はどれか?」といったごくごく素直な問題ばかり。
問題文をよく読む必要はありますが、「〜でない」ものを問いかける問題はないと思ってもらって結構です。
まとめ
最後に、合計3回の試験をうけて感じたことを書きます。
まず、僕の場合は2回の不合格は必然だったと考えています。
もともと応用が利くタイプの人間ではないため、初見の問題に柔軟に対応することができませんでした。
文章の微妙なニュアンスなどは、実際の本試験を受けて初めてわかるものですしね。
ここは演習問題と明確に違うと感じた箇所です。
また、PMP試験は過去問題が公開されていません。
そのため、不合格になった時も「どの問題が不正解だったのか?」を推測することが困難です。
せめて過去問題が公開されていれば、「この問題に類似している」といったところから正解のあたりをつけることもできるんですけどね。。。
とはいえ、こんな僕でもなんとか合格することができたPMP試験。
これから受験される方、仮に不合格だったとしても諦めないで再チャレンジしましょう。
不合格後、1ヶ月以内に再試験をうけた人は合格率も高いそうです。
PMP試験を受ける人はほとんどが業務経験を持つ社会人。
僕のように1年もグダグダせず、短期集中で合格しちゃいましょう!。
受験を考えている人にこのエントリが役に立つことを祈っています。
2012年5月15日
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