人を動かすリーダーとしての3つの心構え~PMP研修~
先日、PMP(Project Management Professional)の外部研修を受講しました。
プロジェクトマネージャーだけでなく、組織に属する人向けに為になる内容だったのでシェアします。
PMのための効果的なチームマネジメント
研修名は「PMのための効果的なチームマネジメント演習」。
チームをマネジメントしていく上で、必要なマネジャーの役割を習得するというものです。
具体的には、
- プロジェクトに必要な「チームマネジメント(目標・役割・進め方・部下指導)」について討議し、研修に入っていく素地を作る
- 演習等を通じ、PMに求められる要素と自身に足りない点を認識する
- 講義や個人検討にて、自らのプロジェクトにおける目的、メンバーの特性に合わせた役割、進め方について考える
- クレーム対応や仕様追加等のロールプレイを通じて、部下指導の方法を学ぶ
といった内容。
リーダー及びリーダー的役割を担っている人を対象に、PMにおける「チームマネジメント力」向上を通じて、部下・後輩指導の方法を学ぶというものです。
2日間(計16時間)という研修で学んだ内容を3つのポイントにまとめました。
1.ビジョンを明確に示す
チームを動かすためにはビジョンを明確に示す必要があります。
ビジョンって言うとたいそうなものに聞こえるので「目的」と言い換えてもいいかもしれません。
このプロジェクトを進めていくことでいったい何が達成されるのか?
ビジョン(目的)とチームメンバーの役割を明確にし、ゴール地点を示してあげることが重要かつ基礎的なチームマネジメントです。
また、「~のタスクを担当してください」とただ言うだけでは、人はなかなか動いてくれません。
なぜこのような作業を実施するのか?
理由/根拠を丁寧に説明することもPMとして大事なお仕事です。
具体例
本プロジェクトは以下3つを達成することを目的とする
- システムの安定稼働(リリース後、半年以内の重大障害0件)
- サーバ仮想化技術の導入によあり、運用/保守費用を現状対比で20%削減
- 障害発生による機会損失の回避
テストの実施、成果物の検証を担当してもらうメンバーに対し、以下の理由/根拠を示してあげる。
- 成果物の品質が、システムの品質に直結すること
- いろいろなケースを想定したテストを実施することが、障害発生の確率を低下させる
2.相手を認める/受け入れる
プロジェクトといってもとどのつまりは人と人との付き合い。
「1人の人間として尊重しています」という気持ちで常に接することが大切です。
また、人って自分に興味を持ってくれる人に対して好感をもつ生き物。
雑談でもかまいません。PMとして積極的に話しかけることで、チームの雰囲気をよくするといった気配りをしたいものです。
相手を認めるという行為はチームメンバーだけでなく、全てのステークホルダーに対して言えること。
ベンダーから「バグ報告」などが出たときは不愉快な気持ちになりがちですが、感情的な態度を表に出しても根本的な解決にはなりません。
「協力して解決しましょう」など、「敵にならずに支援する」意識で接した方がハッピーな結果になることが多いですよ。
具体例
- 話しかけられたときは、相手の顔を見て話しを聞く
- 1日1回、ほめる
- (怒りといった)マイナスの感情を表に出さない
3.まず自分から動く/やってみせる
人を動かすためには、まず自分から動く必要があります。
自らが動き、手本を示してあげることで、その姿を見たメンバーが徐々に動いていくという順番です。
海軍大将であった山本五十六も、同じような名言を残しています。
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、
ほめてやらねば、人は動かじ。
まとめ
PMP試験はプロジェクト管理手法といった技術面より、「このような状況でどのように行動するか?」といった倫理観を問う設問が多く出題されます。
そういった意味でも今回あげた「人を動かす」ための3つのポイントは、より実践的な内容だと感じました。
個人的に心に留めていることがあります。
それは「人がその行動を変えるとしたら(他人など外部の要因ではなく)その人自身からわき上がる感情にのみ起因する」ということ。
「自分の行動=他人を動かす」として、それは直接的なものではなく間接的にその人に影響を与えたからだと理解することが大切だと思います。
2013年8月21日
コメントを残す